六十、七十凍たれ小僧、男盛りは百から、百から

kusunoki世界最長寿の芸術家・平櫛田中は、ただ長生きしたというだけでなく、エネルギーに溢れる人物だったようです。ある時、平櫛田中は70歳の陶芸家と展覧会場に向かっていました。会場は思っていたよりも遠く、歩き疲れた陶芸家が「タクシーを使おう」とが言ったところ、「若造のくせにだらしない!」とカンカンに怒り説教した、と伝えられています。この時田中は90歳を過ぎていました。田中は健康のためめったに車を使わず、歩いて移動していたのです。このような心がけがあったからこそ、田中は長い間作品を作り続けることができたのかもしれません。

また、100歳の時には、30年分の材料として直径2メートルのクスノキ材を3本も購入しました。130歳まで仕事を続ける気だったのです。「いまやらねばいつできる。いまやらねばいつできる、わしがやらねば、だれがやる。」が口癖で、「六十、七十凍たれ小僧、男盛りは百から、百から」を見事実践してみせました。

(写真:100歳の時に購入したクスノキ材の一部)