沿革

谷中のおかって[ 2008年 − ]

【2008年】
熊倉純子(東京藝術大学教授)と熊倉純子研究室の学生、アートマネジメントに関心のある社会人ボランティアスタッフが集い、「谷中のおかって」として活動を始めた。谷中で1997年から続くアートイベント〈art-Link上野-谷中〉の軒先を借りて、まちを案内する〈谷中散歩〉や〈インフォメーションセンター&アートよろず相談「谷中のおかって」〉を企画・実施した。

【2009年】
東京文化発信プロジェクトにおける「学生とアーティストによるアート交流プログラム」の一環として「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」を実施。当時熊倉研究室の学生だった富塚絵美の作品「谷中妄想ツァー!!」が誕生した。

【2010年】
一般社団法人谷中のおかってを設立。「東京アートポイント計画」の一環として東京都、東京文化発信プロジェクト室との共催事業として「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」を展開。文京区根津の小さな一軒家を活動全体の拠点としてオープンした。(~2012年5月まで)プロジェクトの運営メンバーや企画に関わるさまざまな関係者が出入りする“みんなのお茶の間”的場となった。また、プロジェクトの一環としてアーティストのきむらとしろうじんじんを招聘し、きむらとしろうじんじんの「野点」を実施。こども創作教室の構想がスタートした。

【2011年】
「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」の一環として、台東初音幼稚園を会場にこども創作教室「ぐるぐるミックス」がスタートした。きむらとしろうじんじんに師事し、大西健太郎がファシリテーターとして就任。こどもと大人が一緒になって「あそび」をうみ出す場を目指した。
同年に、旧平櫛田中邸(台東区上野桜木)を会場とした「田中邸を味わう日」をNPOたいとう歴史都市研究会との協働によりスタートした。月に1回のペースで建物の公開と交流の場を開き、建物の活用・運営の方法を探っていった。

【2012年】
拠点を文京区根津から台東区上野桜木の古民家に移転。旧平櫛田中邸の活用により力点を置き、地域の文化創造・交流の拠点を形成すべく活用に取り組んだ。
「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」におけるさまざまな企画の実施・運営を通じて、地域の人々や、企画に集まる人々との関係も醸成されていった。それらの人々が一堂に会する場として、旧平櫛田中邸を会場に、2012年度3月にホームパーティ形式パフォーマンス「どーぞじんのいえ」を開催。新しい共同体のありかたを探る企画となった。
東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業の一環として、岩手県大槌町におけるきむらとしろうじんじんの「野点」のコーディネートにも取り組み、谷中エリアでの活動のノウハウを活かした取り組みが、より広域的に展開していった。

【2013年】
「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」が5年目を向かえるにあたり、コンセプトや活動の記録をまとめた冊子と「ぐるぐるミックス」のパンフレットを作成。
2013年度をもって、東京都、東京文化発信プロジェクト室との共催事業としての「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」は終了となった。

【2014年】
こども創作教室「ぐるぐるミックス」のみ、東京都、東京文化発信プロジェクト室との共催事業として実施。運営の仕組みと体制の確立を目指した。
旧平櫛田中邸では、学生メンバー発案による新企画「谷中妄想ツァラ」(武藤舞音楽環境創造教育研究助成金対象企画)がスタートし、さらに、旧平櫛田中邸の運営チーム「でんちゅうず」(AAF参加企画)が発足するなど、「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」を通じて築かれた関係性や文化環境を土台に、新たな活動が芽生えた。