「ぐるヤミ」から派生した出来事

「ぐるヤミ」の活動の延長線上で、メインの企画とは関係なく続く企画が派生して生まれていた。それらがメインとなる企画と平行して続くことで、より多くの異なる習慣を持つ人々を引き寄せることができ、より充実した活動に向かうことができた。そしてまちとの関係も双方の呼びかけに反応し合う柔軟な関係へと向かった。

①おしゃれパーティー

月に一度、自分なりの“おしゃれ”をして集う会で、高円寺のAMPcafe にて開催された。メインの催し物は作らずに、集まった人々との一期一会を思う存分味わおうとするこの企画は、「何もしなくていい、ただ集って、気が向いたら思い思いに場に対して働きかける」そんな場であった。3人でしっとり語り合うこともあれば、50人以上が生バンドで踊り狂うような盛大で華やかな回もあった。少し離れたところから「ぐるヤミ」を見つめる機会となり、そこに集うメンバーは谷中にも顔を出すようになった。

②月曜私塾

毎週月曜日に谷中のとあるお宅で勉強会を開いている。美学・哲学の専門家、木方幹人氏が世話人となり、毎回5 ~ 8 名ほどの参加者とともに「アートとは何か、何のためにあるのか」を根底に据え、身近な話題から、社会問題、参加者の個人的な疑問まで、それぞれのテーマを横断的に絡ませながら議論する。参加者それぞれにとって、またお互いの共通の知を緩やかに開きながら継続的に行われている。

③田中邸を味わう日

地域のNPOと連動し、月に一度、旧平櫛田中邸を一般公開する。初めて訪れる人から、毎月楽しみにしてくる人まで、この日は建物の掃除を行う。また、お茶や談話、さらには昼寝まで?思い思いの味わい方で過ごす。この積み重ねからメイン企画「どーぞじんのいえ」が生まれた。

④くるくるチャーミー

まちへ企画の協力や相談などを持ちかけるうちに、そのプロセスを通じて出会った地域の方々から、商店街のお祭りでの仕事を依頼された。それを機に「ぐるヤミ」に関わりの深い若手アーティストたちが集まり、新たにグループを結成した。次第に他のアートプロジェクトの現場にも呼ばれるようになっていった。